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電技研ノート

プロジェクトD           ~電技研の研究者たち~

2021/07/13

目黒 敬久

第一回

一歩ずつ前へ
~二足歩行ロボットの研究者たち~

2021年6月

そこには喜びとも悲しみとも言えない、絶妙な表情をした、研究者たちの姿があった。彼らは、ワークショップ用教材「二足歩行ロボット・シディー」の研究に1年をささげた、二足歩行ロボット開発課のメンバーだ。今、彼らは自分たちの教材を使った人生初のワークショップに挑んでいる。ワークショップはコロナウイルスの影響でオンライン開催、イレギュラーは付き物だが・・・ 

 

2020年6月

ロボット技術室の机に集結したのは4人の男、「谷本・阪東・大波・東島」、電技研の敏腕集団である。そんな彼らが、1つのグループとなり、1つのものを作り上げる。この時から、相当なものができる予感がしていた。今日は、彼らグループが今後の企画を決める会議を行う。

阪東が言った、「2足歩行ロボットを作りたい」と。

しかし、他のメンバーは首をかしげた。2足歩行ロボットをただ作ってどうするのか?と。そこで、阪東は、

「二足歩行ロボットをワークショップとして生かせないか?二足歩行ロボットの制作キットから教材まで自分たちで作り、実際に小学生向け手にワークショップを開かないか?」と。

名案だった。全員が賛同した。彼らは、電技研の新たな1ページを今まさに、作ろうとしていた。

2020年9月

夏休み中に3DCADを用いて設計した二足歩行ロボット初号機の試運転を行った。決して100%のものではなかったが、比較的順風だった。

しかし、そんな彼らに思いもよらぬ知らせがくる。実施するワークショップが、新型コロナウイルスの影響でオンラインになるそうだ。となると、必然的に、二足歩行ロボットはある程度小規模にする必要が出てくる。というのも、ワークショップの際にロボットの部品を各家へ送る必要が出てくるからだ。2か月かけた設計が、振出しに戻ってしまった・・・

しかしながら、決してそれまでの2か月が無駄だったわけではない。この経験から得られた情報をもとに、彼らはたった1か月で、もともとの約70%の規模のロボットを作り上げることが出来たからだ。

2020年11月~

彼らは、作業を効率化するために、ロボットの改良を進める人と、ロボットのプログラミングを進める人、そしてワークショップ用の教科書を作る人の3人に分かれた。作業は順調に進み、芝浦工大の方に審査してもらった際には「これ本当に中学生が作ったの!?」と驚かれるほどだった。

2021年5月

いよいよあと1か月でワークショップ本番である。教材の確認のために阪東の妹に本番同様の条件でワークショップを受けてもらい、様々な情報を収集した。そして、体験してくれる方々の家に送るキットの部品の箱詰めをした。ここでミスがあっては、最悪の場合ロボットが完成しなくなってしまう。メンバーが交代交代で本当に部品数があっているのか確認し、そこに彼らの相当な熱意を感じた。

2021年6月

いよいよ本番である。画面越しに、電技研部員がマンツーマンでロボット制作を教える。最初は順調だった・・・。しかし、オンラインならではのイレギュラーが彼らを襲う。こちらの準備不足とpcの不具合で、体験してくださった5人全員がプログラミングを終えられず、二足歩行まで達成できなかったのだ。筆者が偶然オンラインワークショップを実施しているpc室の前を通った際、そこには喜びとも悲しみとも言えない、絶妙な表情をした、研究者たちの姿があった・・・。

1週間後・・・

彼らは学校で、先日の5人の方々とプログラミングを行っていた。岩田先生、須田先生、松本先生のおかげで、終わらなかったプログラミングの部分を実際に学校に来ていただき体験してもらえることになったのだ。無事に二足歩行ロボットは動き、一歩一歩前へと進んでいった・・・

 

 

二足歩行ロボット制作のメンバーの一人である阪東はこう語る

「今回のワークショップを第一歩に、今後も二足歩行ロボットを様々な方面で展開していきたい」・・・

 

実際の二足歩行ロボットの動画はこちら↓

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