PICKUP
A
普通横線入り
7mm
30枚
電技研ノート

プロジェクトD         ~電技研の研究者たち~

2022/03/15

目黒 敬久

第六回

この道を真っ直ぐ…
~道案内ロボットの研究者たち~

第一章 はじまり

2021年10月某日…電技研の研究部員、田中・杉本・森田・清水は、あるビッグプロジェクトを引き継ぐことになった。その名も“SMART学会”。関東・関西にある5校がリモートで連携し、協力しながらロボットの製作などを目指すものだ。芝浦はそのうちの一校として、道案内ロボット“ラビーちゃん”を作ることになっている。

もともとは、現高校3年生がプロジェクトを進めていたが、彼らは大学入試などもあるため、高校1年生へ引き継がれたのだ。

第二章 報告会に向けて

彼らは、3週間後の11月19日の報告会に向けて、”ラビーちゃん”の準備を進めた。しかし、先輩から引き継いだのは、ただの計画資料だけ。彼らはたった3週間で、機体の設計からプログラミングまでの全工程を行う、骨の折れるような作業を行うことになったのだ。

第三章 機体の製作

10月末、武庫川女子大学附属高校から、”ラビーちゃん”のデザイン案のイラストが届いた。機体担当である森田は、そのイラストをCADで立体に起こし、さらに、このロボットがより愛されるキャラになるよう試行錯誤を繰り返し再設計。3Dプリンターで印刷した。しかしながら、気候や精度の問題により、毎回オブジェクトのどこかしらがずれたり、湾曲して印刷されてしまう。報告会まであと4日。印刷にかかる時間を踏まえると、もう時間がない。最終的に彼らは、”ラビーちゃん”を分割して印刷し、成功した部品を組み合わせていくことで、精度の上昇と印刷時間の短縮を図り、なんとか機体を間に合わせることが出来た。

第四章 プログラムの製作

彼らは当初、音声認識による道案内ロボットの製作を目指していた。Juliusというオープンソースソフトウェアを用いる計画だ。しかしながら、報告会2日前になってもなかなか音声認識の精度が上がらず、顧問の岩田先生とも相談し、最終的に音声認識を用いない仕組みで道案内を行うことにした。それが、”ラビーちゃん”にタッチパネルを搭載し、画面を用いて道案内をする方法。彼らは報告会2日前にして、タッチパネル式の道案内システムのプログラムを一から作ることとなったのだ。

しかしここでもトラブルが…タッチパネルの画像表示に用いるOpenCVに”module not found error”というエラーが出てしまったのだ。彼らはこの原因について、OpenCVが外部モジュールであることに注目し、モジュールをTkinter Canvasという内部モジュールに変更した。最終的に彼らはこの方法により、何とか報告会前日夜遅くにシステムを完成させることが出来た。

第五章 報告会当日

報告会当日、会場の武庫川女子大学附属高校で”ラビーちゃん”が展示された。顧問の岩田先生からは、

みんなのチームワークの成果。
皆様が喜んでくれている。
よく頑張ったぞ。

と、お褒めの言葉をいただいた。

製作期限はたったの3週間。日夜道案内ロボットの製作に励む彼らの背中は、研究者そのものだった。

コンテンツ

メンバー

名前学年担当
田中 楽都高校1年プログラミング
杉本 結人高校1年プログラミング
清水歓音高校1年プログラミング
森田敦也高校1年機体製作

インタビュー

チームの方々にインタビューを行いました。

研究を通して学んだことは?

何か失敗をしても投げ出さず、問題を様々な角度から見極めて、乗り越えるすべを探ることの大切さを学びました。

研究を通して楽しかったことは?

チームのメンバー全員で、毎日夜遅くまで研究に励んだことです。

あなたにとって電技研とは?

お兄ちゃんですね。普段はすごい楽しい存在ですが、時には兄弟のように嫌いになる事もあります。でもそれでいて、やっぱりどこか嫌いになれないところがある、それが電技研です。

ギャラリー

お使いのブラウザはサポートされていません。

詳しく見る